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「主に一階が、一・二年生が使う教室で3階が3年生の使う教室。柊君は一階ね。」
生徒達が授業をしている中、俺は星野先生に塾の中を案内してもらっていた。
「あと、入る前にテストを受けてもらうからよろしくね。」
「テスト…ですか?」
「うん、君の学力を知る為のね。13日にテストを受ける為の準備をして、また来てね。」
「分かりました。」
しばらく中の見学をして、見学は終わった。
「じゃあまた、13日の午後六時に来てね。今日はありがとう。」
「いえ、こちらこそありがとうございました。それでは。」
俺が駅に向かおうと歩き出した時、突然手首を掴まれた。
「…え?」
振り向くと、星野先生が俺の手を掴んでいた。
「星野…先生……?」
だんだん星野先生の顔が近づいてくることが分かった。え…?何?何!?そう気持ちが慌てていると突然、口にキスされた。
「んっ…!?」
俺の頭の中は急に真っ白になった。どういうこと?男の俺に…キス…!?そんなことを思っていると口が解放された。
「な、何するんですか!」
「いや、俺の好みの子が来たなーと思ってね。」
そう言って、星野先生は意地悪な笑みを浮かべ唇を舌で軽く舐めた。そして俺の耳元に近づき、小声でそっと囁いた。
「俺、君みたいな可愛い男の子がタイプなんだよね。」
「…っ!?」
背筋に寒気が走った。あまりの寒気に恐怖を感じ、俺は何も言わずに駅に向かって走った。怖かった…嫌な予感しかしなくて……。急いで電車に乗って帰宅し、自分の部屋に入る。そしてベッドの中に潜り込んだ。
「はぁ…はぁ……」
息切れと恐怖の両方が混ざって、変な気分だ。何とか呼吸を整えて、俺は机に向かいあの塾のホームページを調べた。すると各先生の情報も載っていた。勿論、星野先生の情報も。そして俺は、先輩に貰った塾の裏の情報データをパソコンにさして、調べた。あの噂が本当か確かめる為に…。すると、先輩方の過去の体験談が何百も書いてあった。よく見てみると、星野先生にキスをされた生徒や上半身を触られた生徒…更には、セックスまでされた人もいた。星野先生に触られた人全員が男で、黒髪、小柄な人達ばかりだった。自分と似たような人達ばかりだった。俺はパソコンを閉じて、急いで眠りについた。ただただ怖かったんだ。
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