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「ふ、ぅ……っんっ……」
逃げ惑う舌を絡めとられ、ちゅう、と吸われてしまうと、下腹部がきゅんと疼くと同時に性欲で思考まで支配されたように何も考えられなくなる。生徒にこんなことを、許されない、彼に一生消せない傷を植え付ける気か、俺は担任で、こんなことは絶対に、……、……。
抗いがたい性欲に支配された頭の片隅で理性が叫ぶ。だめだ、と教師の郁が遠くで喚くが、指一本その指示には従えなかった。代わりに郁の身体は、浅ましい欲望の支配者が指揮をとる。
「はぁっ……むろ、み……はっ……はぁっ……」
「先生……、苦しい、の?」
郁が大人しくなったのを誉めるように室見の手のひらが髪を撫でる。郁はなついた猫のように首を伸ばしてその手にすり寄った。その無防備に晒された首筋に吸い寄せられるように唇を寄せた室見が、そこを執拗に舐めては甘噛みを繰り返す。
「やっと……一緒になれるね、先生」
正気であればあり得ない室見の言葉に、ヒートに支配された郁は瞳を潤ませて素直にこくりと頷いた。
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