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郁がフラフラと起きあがり、震える手を伸ばして室見の張りつめたズボンの前を開くと、アルファの匂いが一層濃く拡がる。興奮で動悸が速まるのを感じながら、郁はそこにむしゃぶりついた。
「あ、あ……っ、だ、だめ、先生っ、すぐ出ちゃうって……っ」
尖らせた舌で裏筋を往復させて、先をくわえて鈴口を舌で抉るようにする。室見のぺニスは暴発しそうなほどに一気に堅く膨らんだ。最後にちゅうう、と先を啜って促すと常人より多いアルファの精が吐き出される。郁はそれを飲み下した。しかしアルファの射精は長く、郁の口の端から飲みきれない精が溢れる。
「はぁ……っ止まんない……っ、先生っ……好き……」
熱にうかされて、室見は射精しながら今度はお返しとばかりに郁の胸に吸い付いて愛撫する。経験のない前戯は拙いものだったが、郁の身体は目の前のアルファを欲して触れるだけで焼けるような情欲が沸き上がり、涙が溢れるほどに感じた。
「あ……う、ん……っん、室見……っ」
運命の番。アルファとオメガのみに存在すると言われる唯一の相手。アルファには何人も会ったことがあるが、出会った瞬間に、肌があわたつのは初めてだった。この出会いが本当にそうなのか。とても、抗えない。思考が霞み、頭がぼうっとして、ただ与えられる快楽に溺れる。ここがどこで、相手や自分の身分が何か、人間として守るべき倫理の輪郭すらぼやけてしまう。
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