教科書通りの恋を教えて

25/118
前へ
/156ページ
次へ
「あ、うっ……んっ、んんっ、はあっ、はぁっ」  室見は赤ん坊のように郁の乳首を音をたてて吸う。胸にしがみつく頭をかき抱いて郁は喘いだ。 「先生……きれい……かわいい……」  室見は薄い色の郁の乳首を気に入ったのか、それを舌で弾いたり舐めたりを繰り返した。胸を弄られ続けて焦れた郁は、自分の下着の中に手を入れると後ろに指を挿し入れて自分を慰める。そこは既に濡れそぼり、アルファの雄の進入を待ちわびていた。ズボンに隙間ができたことでオメガの強烈なフェロモンの馨りが拡がり、室見はそこに鼻をすり寄せる。郁が形ばかりの制止をするのも構わず邪魔なズボンと下着を足から抜き取ると、細い足を抱えあげて先走りでぬらぬらと光る郁の起立した雄を室見は躊躇なく頬張った。 「あ、あああーっ……あぁっ」  滑る口中に迎え入れられ、郁はすぐに射精してしまう。体内の残滓をすべて吸い取るかのようにそのままちゅくちゅくと啜られて、郁は悲鳴をあげた。 「先生、すごい……良い匂い……ここも……」  室見は口の端を拭いながら郁の後ろの穴まで犬のようにペロペロ舐めた。その刺激で、郁の身体の奥の部分がきゅんと切なく収縮する。 「あっ、あっ、はやく……っ、はぁっ、むろみぃ……」 「俺が欲しくて、すごいひくひくしてる……先生、すごい、こんなにえっち、だった……なんて……っ、いま、入れるから……ん、気持ちいい……」  室見は待ちわびて疼くそこに、自らのぺニスをあてて、ぬるぬると二人分の分泌物を塗り広げるように擦った。後ろの入り口に切っ先をあてられて、郁の身体は期待にうち震える。  しかし心はそれにまったく追い付かなかった。生徒に欲情するという禁忌を犯す自分を許せない。一方で目の前の運命のアルファを逃すまいとする本能に抗えず、口からは支離滅裂な言語しか発せられなかった。 「あ……だ、だめ……、ん、ほしぃ……っ、抜く……抜くから……だめぇ、口でするから……っ」 「なんでっ? 先生っ……、我慢できないっ、ここでつながりたいっ、好き……好きだから、あぁ……入るっ」  初めての発情期で恍惚としている若い室見は本能のままぬるりと腰のものを素直に郁の中に埋め込んでいく。充分に濡れているとはいえ、質量のある塊は狭い肉壁に抵抗されながら、強引に押し入っていった。
/156ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1279人が本棚に入れています
本棚に追加