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性について義務教育の中で最初に教えるのは小学五年生の保健の授業となる。
性別種の一斉検査と併せて、男と女という二つの型とアルファ、ベータ、オメガという三つの性別種の違いとともに、性交渉から避妊の方法、妊娠、出産の過程まで教える。オメガのヒートと呼ばれる発情期が、早ければ十二歳頃から始まるので、その前に総合的に知識を授ける。また、思春期を迎える中学二年生でも、一年をかけて性別種別に詳しい身体のしくみと、性行為や番、結婚などの法制度も含めての授業をする。教科書を用いた解説や、ロールプレイング的なゲーム、映画を観る単元もある。
その日は二年生で最初の保健の授業で、教科書にそって小学校で習う範囲の復習も兼ねた、基本的な性差などを教える単元だった。保健の中の性教育に関する授業は担任教諭が担当することになっており、郁はあらかじめ作成しておいたプリントと教科書を見せながら生徒たちに説明した。
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