0人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付くと、星は、ひとつではなく、いくつもの、いや、無数の小さな星が、空から、僕のすぐ足元まで続いていて、それは、まるで、空に登る道のようだった。
そして、その星の道のはるか上のほうで、スキップをするように踊っているのは、きっと、さやちゃんだ!
星の上のさやちゃんは、あのバッグから、何かを取り出したように見えた。
あのときのボールだ!
あのボールは、本当に、空まで飛んで行ったのだ。
僕とキャッチボールをするのを待っているように、さやちゃんは、そのボールを僕に見せて、そして、また、ダンス。
いかなくちゃ。
僕は、星の道を走り始めた。
星の道を、さやちゃんが待つ空へ向かって。
走って、走って。
そして、僕は、自分がふわっと地面から浮き上がるのを感じた。
ああ。
星になったみたい。
僕は、そう思った。
なんだか、とてもしあわせな気持ちだった。
最初のコメントを投稿しよう!