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それから色々なことを話し、聞いた。
「今日はありがとうね。これで……」
彼女が帰り際にポツリと零すように呟いた。
「これで……?これで、どうした?」
「ううん、なんでもないの。ねぇ、今日の月のように明日の月は綺麗かな?」
彼女は何か請うように僕に聞く。
「明日の天気は晴れだから明日の月も今日と同じように綺麗だよ」
「……そうね。じゃあ、バイバイ」
彼女はスっと微笑むと僕に背を向けて自宅へと向かった。
「月は綺麗だけど、遠いよ」
彼女が何かを言ったようだが僕には何も聞こえることは無かった。
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