転生

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転生

「白...。」 目の前は見渡す限り白色だ、 果てがないのか、それとも白くて遠くが見えないだけなのか僕にはわからない。 これが死というものなのだろうか。 「アッシュ...」 背後から声をかけられ僕は振り返る、そこにいたのは白い髪と肌、透き通るような蒼い瞳の女性だった。 「あなたは?」 「私の声をお忘れですか?」 彼女はからかうようにそれでいて優しく微笑んでいる。 僕は愛想笑いを浮かべる、たぶん困った顔になっているだろう。 「失礼しました、こうして会うのは始めてですものね。  私の名はエリス、女神をしております。」 「し、失礼しました!エリス様!」 肩膝をつきこうべを垂れた。 しかし、女神様の前にこうしているということは、やはり僕は死んだのだろう。 「魔王はどうなりました?」 「貴方の死と引き換えに、魔王は消滅しました。」 僕の質問に彼女は悲しそうな顔で答え、こう続ける。 「貴方には辛い役目を与えてしまいました、争いが嫌いな貴方に力を与え戦いを強いて。」 「いいんです、誰かがやらなくちゃいけないことでした。  それにこの力のおかげで自分の手で大切な人たちを守れたんです。」 「ありがとうございます。」     
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