出会い

10/45
前へ
/302ページ
次へ
「仕方ないなぁ。許しますけど、またランチご馳走して下さいね」 「かしこまりました。 いくみ様」 三井さんがまるで執事の様に答えたので、今度は私が笑ってしまった。 「いくみさんは、この後予定はありますか?」 「ないです。 今日は1限目の授業を受けたら家でのんびりしようと思ってました」 「良かったら、怖がらせたお詫びにおかげ横丁で伊勢うどんでも食べませんか?」 「えっ、カフェだけでなくランチまで? 本当にいいんですか? 嬉しい! 授業に間に合わなくて良かった」 教室のドアが閉まった瞬間、今日は最悪の日だと思ったのに、今は最高の日だと思う。
/302ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加