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一体何を唱えているんだろう、耳をすませてもよくわからない。
「終わりました。もう希子ちゃんの周りには浮遊霊はいません。
では、お昼を食べてからまた寄らせて頂きます」
三井さんが一礼をして玄関に向かうと、「お兄ちゃん本当にありがとう」と野田さんが何度も頭を下げていた。
「いくみちゃん、付き合わせて悪かったね」
「いいえ。 私こそ、無理言ってすみません。
気になったんですけど、希子ちゃん、もし野田さんが三井さんと出会わなかったら、ずっと成仏できないんですか?」
「いや、お祓いを出来る人は俺以外にもいるから、きっと希子ちゃんはお祓い師を見つけて、野田さんか希子ちゃんの両親に引き合わせたと思うよ」
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