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「お父さん、ありがとう。 じゃ、私行くね」
良かった。
お父さんにお礼を言った後、2階の自分の部屋に逃げるように走った。
まだ付き合っていないのに、家族に三井さんへの気持ちを知られたのは恥ずかしすぎる。
これからどんな顔をしたらいいんだろう。
はぁー。とため息をついた。
それにしても、三井さんも私の事が好きだったらいいのにな。
明日には体調が元に戻るかな。
明日はLINE電話出来るといいな。
いつの間にか、頭の中は三井さんでいっぱいになっている。
「いくみ、夕食が出来たわよ。 早く降りてらっしゃい 」
しばらくすると階下から母の声が聞こえてきた。
また三井さんの事を聞かれたら嫌だなと思いながらテーブルにつくと、芽衣の勉強の事を話していたので、ホッとして私も加わった。
「きちんと勉強してるから大丈夫。 来年受験生になったらもっと頑張るから、あんまりうるさく言わないで」
芽衣が言うと、父も母も仕方がないわねという顔をして頷いている。
我が家は夕食はみんなで食べて、こうやって言いたいことを言う。
なんやかんや言っても仲が良いのだ。
いつか、私と三井さんが付き合う事になったら、家族に紹介したいなと思っている。
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