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会社の入社式って、高校の入学式と変わらないと思う。
四月一日。
この日は私が卒業した女子高校
『○○女子高等学校』
……の入学式と同じ日で、新学期が始まる日。
だから特に違和感がない。
……が、私の席の同期の連中や周りの同期達のこれでもかって位、緊張し過ぎたクソ真面目な顔や不安そうな顔様々な表情が見える。
中には私みたいに気にしてないのもいるけど。
社長の挨拶。
お祝いの言葉。
……etc
入社式の式次第ついに
『誓いの言葉』
今年度の新人代表から言うんだけど
その新人代表はMother31期の中からで
なぁんと!
「新入社員代表・城島 道真!」
私の隣の円卓。
隣合う席の、『城島』君が
「はいっ!」
返事とともに、ばっと立ち上がり
ピシッと周りに一礼して、舞台の方に歩いて行く。
「グッチィ〜城島くんすごぉいい〜
社長さんとこに歩いて行くよ~♪」
ユッコがコソッと言う。
って言うか、いつ?
アイツが新人代表に決められたわけ?
その辺はわからないけど、城島くんは堂々たる姿勢のまま舞台の階段を登り社長の前へ。
一礼し、スーツの上着の内側から
なにか紙をスマートに取り出し広げ、読み出した。
城島くんの声が、広い式場内にマイクを通して響く。
その後ろ姿は背筋が気持ちいいくらい伸びてた。
その辺は、きっとほかの会社と同じかもしれないが、この会社は、ここから違った!
城島君の『誓いの言葉』の後、
私達Mother31期生から名前を呼ばれ
舞台へと並んでいく。
社長自ら行う
『社章授与式』
舞台に掲げられた会社のエンブレムが社章。
「各工場に入ると、一部の部署を除き
この社章を付けるのは、このような式の時の
スーツを着た時だけになると思います。
けれど、君たちは○○-○ー○○㈱の一員
これはその証なのです」
ーーーとかなんとか…アナウンスが入った。
へ〜って思いながら私は同期達に続いて並ぶ。
順に名前を呼ばれ返事して社長の前へ。
私も呼ばれた。
「頑張って下さい!
仕事も剣道部も!」
穏やかな声と笑顔で社長は、社章渡した後がっちりと、握手してくれる。
力強い握手だったけど、社長すっげー!と思った。
新人一人一人の情報入ってるのか?
実業団チーム入団決まってる新人には
その言葉付け加えていた。
総勢新人80名
社長は休むことなく
一人一人に社章授与と握手と
声掛けをし続けた。
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