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｢私たちからのお酌は受けないくせに｣
なんて声が周りから聞こえる気がするけど
｢なんなの？あの女ァ？｣
わーい♪女の子って見られてる
やっぱり髪伸ばして正解？
｢ごめんねぇ～あの子は、祐也の特別｣
まずは石野さんの声
特別って何っー！の声に対し
｢ちっこい頃から知ってる妹ちゃんなんだよ
あの子は…妹に妬いてどーすんの？｣
優しく諭してる
｢えぇっ！でもっ！でもぉ！｣
そんな声もそのうちに笑い声に変わる
なんだか凄いな…そう思いつつ
乾さんと慶さんの話…
そっちに夢中になってしまうと
その声も聞こえなくなってきて
慶さんと乾さんの声だけが耳に…
今日の試合、慶さんは乾さんと
去年の秋季よりも早い段階で当たって
ベスト8で終わった
こうして時々真剣な顔みせたり
楽しそうにしていても…
慶さん…乾さんとの試合の後…
また…眉間に皺深く刻んでいたんだろうか？
あの時…私は試合でそばにいること出来なかった
｢…っしょう！次回は…必ず…｣
乾さんの試合見てる時
こぶしをぐっと握りしめていた
眉間に皺深く刻んで厳しい顔つきで…
…あっとしてキュンと…思わず
不謹慎だけどしたのは秘密だけど…
乾さんはとにかく慶さんの成長
それを喜んでるように見える
延長の末に仕留めたのは乾さん
長身の二人は体格的にも差はない
｢外国の俳優の様な…｣そんな表現が
本当にぴったりなように…
シンプルな服もカッコイイ
特に慶さんっ！
リーバイスにパーカーにＧジャン
ありふれてるのに…
ちなみにパーカーの下は白のTシャツ
山木さんの家の近所の銭湯から帰ってきた時
生まれつき髪も瞳も明るめの栗色
その髪をちょっと撫でつけていて額出ていて
｢うわっ！ジェームス・ディーンぽい｣
なんて思ったのは内緒だ
何かで見た映画のちょっと少年時代の俳優
それっぽく見えたの…不思議なんだけど
初めてのＴ地区実業団春季大会デビュー
そして…初めての祝勝会と打ち上げ
楽しい二時間は…あっという間に
終わったわけで…
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