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一通り終わらせて、やっと休憩。
俺達の弁当も食堂に用意してあって
もう何人かは食べに行ってる。
このあとは団体戦の続き。
個人と団体戦決勝戦。
そして表彰式だ。
初めての実業団の試合。
俺はなんとかベスト4。
表彰式出るのでそのまま道着と袴。
同期の二人みたいにラフな格好でいたいな。
あっ....
食堂の長いテーブル
通路側にあの娘がいた
山木夫人と向き合って
弁当食ってる
シャンと背筋伸ばして
お行儀よく座って....
「なぁ~お前が来年入る新人?」
気がついたら俺は
テーブルに肘ついて
彼女の目線で座っていた
「えぇ....そうですけど…。」
不機嫌そうにその眉を顰めている
当たり前か…うん。
だけど....俺は....何やってんだか
「なぁお前さぁK高の二軍女子
一人で全滅させたってマジ?」
「正確には....中3の時です!!
先に名前を名乗るべきでしょ」
顔に似合わず怖い声
すんごい俺に睨み効かせて
ガンつけてやがる
でも....その顔が泣きそうになった…
俺が彼女の弁当のきっと
好物なんだろうな
それとって食ったからだ
大きな瞳…ウルッとして可愛い♪
なにか言いたげにもごもごしてる…
「俺は....長瀬
長瀬 慶司
春待ってるからな!!」
さらにエビフライ口にして
もぐもぐ。
「こらっ!」
山木夫人のお叱り…
「アハハ、挨拶ッスよ、挨拶
じゃあなぁ!山口響っ!」
手を振って背を向けた。
…けど…な…
俺....何やってんだか
小学生かよ。
これが…後の未来
俺の嫁さんになる
一人の女との出会いだった。
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