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優雅な音楽が流れる中で、従姉妹の結婚式以来のフルコースに私はご機嫌。
あの時のフルコースは、和洋中折衷でそれはそれですごく良かったけど。
私の卒業した女子校は、一応お嬢様学校って言うのもあって、高等部三年間の間に数回ののテーブルマナー教室があった。
和、洋、中……様々なジャンルの料理の、食事のマナー習った。
特にフレンチが一番楽しかったし、とても美味かった。
場所は八芳園だったかな?
ここみたいに大きな広間なんだけど、円卓でなくて長い長いテーブル席で、一つ一つ丁寧なマナーを教えていただいて美味しく学んだっけ。
「…お嬢~♪お前さん
ちゃんとマナー知ってんのな!
ガキん時は…男みたいに
ガツガツ食っていたのに?♪
男兄弟いる子ならではの…
飯の食い方だったのになっ!」
成人している渡辺さんは、肉料理に合うワイングラス片手に言わないでいい事言ってくれてる!
…んもぅ!
変なイメージが同期たちについちゃうじゃん!
○○学園○○女子高等学校って言うだけで
イメージはいいのにさ。
「イヤだぁ〜渡辺さん、それはいつの事かしら?」
坂本さんがしてくれたメイクの力か?
それとも、三年間あの学校にいたからか?
自然と唇から言葉がすらすら……。
「去年の秋季大会で…ふふ
見に来てくれた時…お嬢ぅ!お前さ、
かなり…作っていたろ?育ちのいいお嬢様風
制服だって、スカートのその長さ…慣れてない感じだったぜ
ボタン上まで閉めるなんて慣れてない
学校規定のハイソックス慣れてない!
そんな風に感じたぜ……」
余計な事言うな!おっさん!
確かに、その通りなんだけど。
ついでに言うなら、アクセサリージャラジャラで髪なんてちょっと陽の光に当たるとオレンジに見えるようにヘアマニュキアしていた。それも、夏には元に戻したけど。
髪の裾は天パだから仕方ないけど。
メインの牛フィレにナイフ入れる。
美味しそうな美しいロゼカラー。
せっかくのお肉なのに、渡辺さんのせいで
ちょっと味がわかんない……。
同期の女子三人は、
「グッチぃってそんな子なんだぁ〜」
なんて、目ェキラキラさせてる。
渡辺さん、さらに調子に乗って余計な事言わなきゃ良いとヒヤヒヤしていたら……、
「お疲れさまです!」
なんて声がした。
「 渡辺監督! 挨拶遅くなって申し訳ありません!S高の城島道真です。
昨日は稽古ありがとうございましたッ!」
城島くんが渡辺さんの近くに立って
声をかけて挨拶した。
「ン?あぁ…今年の新入部員の城島くんかァ
ゴメンな~ついつい、お嬢に
久しぶりに会って嬉しくてな〜♪」
渡辺さんは、にこりとして
(強面だから怖いって…)
「○○-○○㈱剣道部の渡辺だ
君は…昨日会ったな!
ウチの堺の後輩の…城島くんだったな
あらためて……よろしくっ!」
差し出すごつい手と、城島くんのごつい手
がっちりと握手された。
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