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社長をはじめとした入社式の来賓達を見送った後、私達はその場に残って、これからの事の話を聞いていた。
「お疲れ様でした。
社長をはじめ来賓の先輩方
それぞれの席でとても参考になる
お話聞けたと思います…」
なんて労いの言葉から始まった。
確かにそうだろうな…。
これから始まる社会人としての人生。
うちの席でも、他の席でも質問して不安解消していたな。
祝いの席は終始穏やかで楽しくて、明日からの研修に頑張ろうと思うほど!
だって…!こんなにも素敵な環境で、勉強出来るんだし。
しかも二週間の間に日曜日は休み。
本来会社は土日休みだけど、研修中という事で一日のみ休みだ。
この日は私達は未成年だから、指導員の元の
外出にS県の街へ繰り出すそう。
指導員によってコースは色々らしい。
どういう事かはよくわからないけど。
昔の昔、なんか風紀が乱れたりした事があったとか、そこからきちんと休みの日も大人の目が届くようになった。
だけど、その目をかいくぐってまさかの事が起きて、しまうなんてこの時は知らなかったけど。
「良かったね」と言えば良かったけど。
それはルール違反じゃない?
部屋に戻ったら各自ジャージの上着に
名前書いたゼッケンを先ずは縫い付ける。
それは、明日から使用するから。
そのあとは、就寝時間まで自由。
未成年だけど社会人それを自覚。
ホテルに泊まる他のお客様に迷惑かけない事。
自由時間でハメ外さない事。
ホテルから出ない事。
……以上だ。
そしてなによりも、大手会社の社員として、その社名一人一人背負ってるという事を自覚してと……。
部活あがりのらかつて学校名背負って
戦ってきたヤツらはきっと理解しただろう。
それと、もとから真面目な……大半はそうなんだけど、ウンウン、うなづいていて理解してるようだ。
「ヨイチっ!部屋戻ろ!」
おそらく塩野さんは、わかってないかも……。
萩原さんの腕に腕絡めて、べったりしていて
目のやり場に困っちゃう…。
「ひとみ……それは出来ないよ。
俺も決められた部屋に行かないと……」
ン?萩原さんは…わかってる。
かなり扱い慣れてるんだろうね。
こんこんと言い聞かせていた。
社会人としての初日の夜……。
私達はまだ学生気分も、観光気分も
抜けきれていなかった。
「ぐっちい~♪一緒にジャージに
ゼッケン縫っちゃお!
ンでね…♪木崎さんのこと話すの〜」
ユッコ、木崎さんと話す機会があったらしい。
渡辺さんに連れられて、城島くんと共に
挨拶回りとかしていた時かな?
その時にかな?
嬉しそうな顔可愛すぎ!
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