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裁縫はまぁ好きだ。
ジャージの上着にゼッケン付けなんてカンタン♪
テディベアに比べたら…ずっとずっとカンタン♪
「そういや、これ…いつ着るんだろうな 」
岡崎守人(北海道工場・剣道部)が、ふいに言い出した。
北海道・東北地区は東海地方から遠くて、私達よりも一日早くここに宿泊してる。
北海道・東北地区は合わせて六人、しかも男子ばかりだ。
そのうち剣道部は四人。
ちなみに、彼らの部屋はここではない。
ここは、城島くん・阿部くん・田中くんと、高専卒で1つ上の松井さんと長島さんに原さんの六人部屋。
和室部分とベッド3台の広い部屋で、ファミリー用の大きな部屋だ。
「うーん……研修合宿って言う位だから、体育的な?授業もあるんじゃねぇ?」
技術課へ決まってる高専卒の三人の一人
原さんが丁寧な針の運びで縫い付けてる。
「あぁ~なるほど!
製造も…体力とか必要だもんな」
まだまだ未熟な新人の私達、納得してしまう。
これが、半分正解なの知るのはあと数時間の朝。
この部屋の6人プラス、私とユッコと北海道・東北地区の岡崎くんと中畑くん(空手部インハイ経験アリ)のうち、男子達はすぐ仲良くなったらしくて、部屋で、ていうのわかるけど、私とユッコがなんでいるのかと言うと、それはほんの少しだけ前。
鳳凰の間を出て7階の部屋に、戻ろうとエレベーター待っていた時に、城島くんに声をかけられた。
「ゼッケン付けるの…手伝ってくんねぇか
というか…ちょっと話さないか?
響と優子ちゃん♪」
って……。
はぁ?ちょっと待て、ユッコには、「ちゃん」付けで、私呼び捨てかよ!
ツッコミいれたいけどそこは我慢。
私達女子は一人一人個室だ。それもビジネス用のタイプの部屋。
ビジネス用と言っても観光ホテルらしく綺麗めでちょっと広め。
その部屋に一度帰って、スーツ脱いでシャワーしてさっぱりしたらユッコの部屋に行ってゼッケン付けるつもりだった。
多分、恋する乙女特有の話を聞かされそうで、出来ることなら避けたいけど無理だなと思っていたとこに、城島達のお誘いだ。
「いいよ♪」
素直に「ラッキー!」と思ってあっさり快諾。
普通は、男子の部屋なんか行くもんじゃないけど、研修合宿の場。
指導員達は、常に各部屋をチェックしてるし
安全なのは確実。
ほかの女の子達もそんな感じで交流している。
そのお誘いに、ユッコはちょっと悩んでいたけど、私について行くってなって、今に至るわけだ。
ゼッケンをつける作業完了後、
岡崎くん、もし女の子と話せるならと荷物に忍ばせてきた、
「白い恋人」
「トラピストクッキー」
北海道フェアでしか見れない北海道の銘菓が出され、紅茶やインスタントコーヒーとか出されて、ちょっと楽しいおやつタイム
就寝時間まで続いた。
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