400人が本棚に入れています
本棚に追加
/683ページ
美味しいものは早くなくなる。
「ごちそうさま」
と、トレイを手に立とうとすると、
「グッちぃ~早くない?」
一緒に食べていた女子達に言われた。
「グッチィ」と言うこの呼び名。
ユッコから始まったこの呼び方、いつの間にか女子の中で浸透してる。
「昼休み一時間だし!有効に使わないと
もったいないっ!おっさきっ!」
返却口へ行く途中、ほわりとカレーのにおい。
むっ!もう一度お代わり?しちゃう?
ちょっと揺らぐ程にカレーのにおいは、ものすごく……やばい。
そちらを見てみると男子達は、ご飯とカレー、スープや味噌汁のお代わりに立っていて。
「あり?響、お前もう食わねェの」
カレーとご飯てんこ盛りの城島に声掛けられ
「うん」
そう答え
「あとでね」
手を振る。
城島が何か言いたげだったけど、食後はなるべくのんびり1人でいたいの。
この建物、困る位に広くてどこに行ったらいいのやら。
とりあえずロビーの、間取り図見てみる。
ここは、一階で玄関で……、うーん…2階のここは、宿舎になってるし。
ここは…おっ!大浴場ゥゥゥ?!
大浴場の前には広い待合。
ンでもって……自販機コーナー♪
よしっ!そこに行こう!
そう思って足をそちらに向けた時、
「きょーうっ!」
名前を呼ぶどデカい声がした。
ついさっき聞いた声
見ると城島がいたわけで
「あんた、カレー食べてたんじゃないの?」
「急いで飲み込んだ」
カレーは飲みもんだ!だなんて笑う。
うーん…1人でのんびりさせてくれないらしい。
その理由が、
「お前の周りの剣道関係を知りたいんだ!
あの山口潤の姉貴だしな!」
私の弟、潤は剣道関係では、とても有名な剣士の1人だった。
高一で入部してから、あの事件起きるまでは……。
私は、高校自体違うし姉ってだけだから、その件に関してはなんだかめんどくさい…。
最初のコメントを投稿しよう!