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皆に遅れて入室した研修室……。
そう言っても他にもいるけどね。
なんとなく気心知れた武道系。
体育会系の連中は、
「城島ァ!ぐっちいっ!遅っ!」
なんて普通に受け入れてくれるけどね……。
さらにそれらを覗いた同期達の一部が、なんかねぇ……こっちみては、ざわざわ……、
サイテーなんてのも聞こえた。
あの人ってさ…カレシ…いたよね
アイツらさぁ……
ザワザワ……
カレシ…かれし…彼氏?
ちょいと思い出すのは午前中。
説明しないとわからない4問に対しての絵を書く宿題。
あの中の例のやつ。
武道系体育会系の数人とMother・Fの一般入社の数人。
彼ら彼女達には説明してあるけど、別な班同期達には宿題の説明してないから……、
ざわつかれる原因を考えられるのはそれかなぁ?
なんかざわざわする中、始まる午後の講義。
今度はインクや紙の歴史……。
その資料として配られるのは、インクの色サンプルとか、様々な種類の紙のサンプル。
もちろん私は食いついて……
「浅葱きれー♪」とか
「桜色もあんの!ねっ!城島ァ
もし、印刷課に行ったら…この辺りの色の
そうだなぁ上質紙○g(厚み示してる)とかね」
「ぐっちい?そこに配属とは限らないよ」
「え?そうなの?あべちゃん」
一部の同期のざわざわの事、すっかり忘れていた。
お次の講義は入社したこの会社の、きっと私たちが1番お世話になる製造部の職場様々な工場の話。
たくさんの取引先と会社を繋ぐ、営業所の話とさらにそれを支える事務系の話。
映像とファイルのテキスト元に説明。
ちょいと詰め込みすぎな感じあるけど、15分の休憩挟んで続けられる。
休憩中、やっぱりまたざわざわと変な視線が気になるけど、ユッコの
「木崎指導員がねっ!
とにかくカッコイイの!
どうしてなんだろう!きゃぁぁぁ」
私達の席に来て騒ぐから変な視線は気にならない。
木崎指導員は榎木部長の講義のお手伝いで
前に居るし、よく動いてるし……。
さっきまでご自分が控える席に座っていた。
それが…ユッコの列。
ユッコは端っこだからとても近くて……。
「優子ちゃん…もっかい聞くけど
あの人(木崎指導員)カッコイイの?」
一般男子のひとりが聞くと、ユッコは
「え?」
何言ってるの?キミ?なんて複雑な顔していた。
それが面白くてまた、視線とざわざわは気にならなくなった。
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