初稽古からの日々…

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剣道部の冷蔵庫にある ペットボトルのお茶… それを鈴木さん人数分持ってきてくれた 「いいんですか?」 なんて聞けば… 「いいのいいの…オレらここで 屯うのに買ってあるやつだから」 チュッパチャプス ラストの方噛み砕いて…モゴモゴ そこにお茶…美味いっ! なんて笑えば… 「響…そこは…美味いじゃなくて おいしい…だろ? たぶん、お前のことだ 美味いも美味しいも同じでしょ… そう言うだろうがな…」 あの頃と変わらない… うっすらと穏やかな笑みを浮かべ 「飴は、噛み砕かない方がいい 歯が割れてしまう… 特に奥歯は、選手としてやっていくなら 歯は大切にしないとな…」 ふいに唇に指先が触れて イーッ!とされる 「あぁっ!祐也っ!なんかやらしー」 なんて石野さんと鈴木さん騒がしくするから 軽く2人は頭を小突かれた 乾さんは2人に「バカ」と言って 「響…ひとつ聞きいたい 俺との約束…覚えてるか?」 急に表情がマジになってる 「約束?…ん? あっ!突きを試合で高校まで 使うなって事ですか? すみません、六年の時の大会で 使って....」 言いながら謝った 「いや、そんな事じゃあなくて もっと大事な事…だ」 「....すみません ちょっと覚えてない.... だってもう何年も前だし」 そこのあたりモヤモヤしている だけど…合宿は、覚えてる 大雑把だけど…でも曖昧 稽古は、はっきり覚えてるのに みんなと笑ったり話したり 遊んだりしたのに 二週間の合宿のうち 残り一週間は大雑把にしか覚えてない 高校に入ったら記憶がこんな感じだった
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