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《 初めに 》
わらべ歌『かごめかごめ』は、最後のところで、後ろの正面は誰か、と問い掛けています. この答えを推理してみたいと思います.
籠目 籠目
籠の中の鳥は
何時何時でやる
夜明けの晩に
鶴と亀が滑った
後ろの正面だーれ
《 推理 》
この歌詞最後の問い掛けに意味があるとするならば、歌詞全体に筋が通っているはずです.そこで、歌詞全体の意味を考えてみます.
手掛かりとして、一番奇妙な『夜明けの晩に』を意味の通る文章にしてみます.
夜明けの(はずなのに)晩に(なったように暗い)
このように読めば、理解は可能になります.この状況は、皆既日食の時に起きます.
そこで、日食すなわち太陽が月の影になり欠けていく様子をこの歌は表していると仮定して、意味が通るように推理を続けてみます.
上代古語の東国方言で、『影』を『かご』と発音します. すると、歌詞冒頭の『かごめ』は『影め』と言っているように考えられます.
続く『かごの中の』の『かご』も、『籠』ではなく『影(かご)』のことだと思います.
『鳥は』は、『虜(とりこ)』が『鳥っ子』と訛り、さらに『鳥は』に転じたのだと思います.
『何時何時でやる』は、そのまま『いつ出てくるのだろうか』の意味であると思います.
つまり『籠の中の鳥は何時何時でやる』とは、皆既日食を見ている人が『太陽は月影の虜になって隠れたが、いつまた出て来るのだろうか』と言っていると解釈できます.
そして『夜明けの(はずなのに)晩に(なったように暗い)』と皆既日食の状況説明が続きます.
『つる』は、『鶴』ではなく、『弦(つる)』を意味していると思います.完全に暗くなる少し前の太陽の光っている部分を弓の弦になぞらえた表現だと思います.
『かめ』は、『亀』ではなく、『影』が訛ったものであると思います.
『すべった』は、『滑った』ではなく、『統った(合体した)』の意味だと思います.
つまり『鶴と亀と滑った』は、『太陽の弦(つる)の部分と、月の影(かげ)が、合体して皆既日食が起きた』と解釈できます.
以上の事を纏めると、次のようになります.
籠目 籠目
(影め 影め)
籠の中の鳥は
(影の中の虜)
何時何時でやる
(いつ出てくるのか)
夜明けの晩に
(夜明けのはずなのに晩になったように暗い)
鶴と亀が滑った
(弦と影が統べった:つるとかげが合体して皆既日食が起きた)
後ろの正面だーれ
また、『後ろ』には『陰(影、かげ)』の意味があります.このことを考慮すると、『後ろの正面だーれ』は『影の正面には誰がいるのか』と言っているのだと思います.
この場合の『後ろ』は月影のことになり、月影の正面には、見えなくなった太陽がいます.
以上より、『後ろの正面だーれ』に対する答えは『太陽』であると推理します.
(了)
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