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「なら明日、もう一度来ます。」
「明日も来るんだ」
「当たり前です!」
「お前のその体じゃここに来るの大変でしょ。」
「僕は小さくありません!」
「いや小さいよ」
豆太の身長は5センチしかない
「それにそういうならさっさと戻って来てください。そうしたら僕はここに来なくてもいいんですから。」
「それは無理。だってみんな僕のこと嫌いだもん」
「それがわからないんです。だって遥灯さんは優しいですし、そもそもあの人たちもそう簡単に誰かを嫌いにはならないと思うんです。遥灯さん、何をやらかしたんですか。」
豆太はジト目を僕に向けた。
「何にもしてないって!」
「それならなんで…」
「それにしてもお前よくこんな世界の外れみたいな場所まで来るね。」
「ちょっと話がまたそれて…」
「いたんだよ。お前みたいにバカみたいに僕のところに毎日来る奴が。」
豆太はえ…と声をあげた
「友達がいないことで定評のある遥灯さんに!!」
「バカにしてるよね」
「なら、その人の話をしてください。」
「は?」
豆太はちょこんと僕の手のひらに腰掛けた
「それで今までここに通わせたことをチャラにしといてあげます。」
「いや通わせてはないよね。けどいいの?そんなことで」
「はい。知っておかないといけない気がするので。」
豆太は本人は気づいていないが意外に鋭い。
やはり豆太にもあるのだろう、僕たち妖としての勘が。
「しょうがない。聞かせてあげるよ。」
「やった!」
「これは、僕がまだ人間だった頃の話。」
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