第3話 人化の術

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第3話 人化の術

「うむむ。なんだ? さっきの光は……」  最初に声を発したのは妖魔大王である。  あまりのまぶしさに頭がくらくらしている様だ。 「何か変わった事はあるか?」  配下の妖魔達も何事かと周りを見渡している。  既に揺れは収まっており、天井も崩れる心配は無さそうだ。 「特に変わった事はありませんわね」  デスクイーンがふらふらと飛びながら答える。 「そうか。よし、では万里水晶を持ってまいれ」  万里水晶とは、万里の距離に渡り、好きな場所の様子を映してくれる妖魔具だ。  小さいカラス天狗が水晶を抱えて、パタパタと一生懸命に飛んでくる。
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