第3話 人化の術

6/6
前へ
/170ページ
次へ
「暗黒騎士よ……」 「はい!」 「ナイスだ」  グッと親指を立ち上げる妖魔大王。 「でっしょー!」  暗黒騎士も親指を立ち上げて大王に答える。 「よしよし。だるま男爵には声をかけたか?」 「かけたんスけど、酔いつぶれて寝てるッス」 「そうか。じゃ、仕方ないな。デスクイーンは……夜中にラーメンなんて絶対に行かないだろうな」  デスクイーンはカロリーを気にしてラーメンのスープを絶対に飲まない。  寝る前のラーメンなんて以ての外だろう。  最悪、二人が行く事を止められる可能性すらある。 「俺はモヤシ炒め定食で!」 「じゃー、わしは味噌ラーメンと半チャーハンにしようかなー」  餃子もつけちゃおうかな……と、空腹という名の悪魔がささやいてくる。  確か50円引き券があったはずだ……  うむ。決まりだな。  妖魔大王はいくつものメニューの組み合わせの中から、最適だと思える組み合わせを導き出す。 「では人化の術をやるか」  人化の術とは文字通り人に化けることである。  実はかなりの高レベルの技で、妖魔帝国でもこの技を使えるものはそれほど多くはない。  しかし、地上に出る為には必須の術とも言える。 「じゃお先ッス」  そういうと暗黒騎士が人化の術を発動させた。 
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加