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縦穴には長い長い鉄のハシゴが備え付けられている。
しかし妖魔大王と暗黒騎士がその梯子を使う事は無い。
二人は縦穴の真下へ来ると、すっと宙に浮かびあがる。
そしてぐんぐんと縦穴の出口目指し上昇していく。
「これハシゴじゃ無くてエレベーターにしたいなー」
妖魔大王が上昇しながら下にいる暗黒剣士に話しかける。
「そうッスか? 俺はこのままでもいいッスよ」
「お前はな。でも宙を飛べない者は不便だろう」
「あーだるま男爵とかッスか? でもあいつ、この前ここの壁を『ぞいぞいぞいっ!!』って言いながら、転がって上ってたッス」
「あいつは変態だからな」
「あ、でも途中で力尽きて落ちてきたッス」
「じゃあ、ダメじゃーん」
ハシゴの先は木で出来た扉の様な物で塞がれている。
把手は付いているものの、穴を塞いであるだけなので扉というよりは蓋に近い。
そこには「優しく押してね」と張り紙がしてある。
その張り紙をしたのは他ならぬ妖魔大王である。
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