第5話 地上へ

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「あ! ばか!」 「げっ! ヤバッ……」  上空から小さな埃や土の様な物が降ってくる。   数秒遅れて  ズシーン!!  と、凄まじい音と振動が縦穴まで響いてきた。  その予想以上の音と振動に、血の気が引いていく妖魔大王と暗黒騎士。  二人は瞬時に下を向く。  確認する勇気が無いのである。 「ヤバイな」 「ヤベーッス」 「お前、ちょっと見て来い」と妖魔大王が言う。 「いやいや、大王様お先に」と暗黒騎士が断る。 「いやいやいや」 「いやいやいやいや」    二人の攻防が続く、  そんなやりとりが少し続いた後、やがて妖魔大王が諦めたように提案する。   「仕方ない、じゃ一緒に行こう」 「賛成ッス」  暗黒騎士が深く頷く。  辺りを舞っている埃はだいぶ落ち着いてきている。  これなら上を向くことも出来るだろう。
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