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「あ! ばか!」
「げっ! ヤバッ……」
上空から小さな埃や土の様な物が降ってくる。
数秒遅れて
ズシーン!!
と、凄まじい音と振動が縦穴まで響いてきた。
その予想以上の音と振動に、血の気が引いていく妖魔大王と暗黒騎士。
二人は瞬時に下を向く。
確認する勇気が無いのである。
「ヤバイな」
「ヤベーッス」
「お前、ちょっと見て来い」と妖魔大王が言う。
「いやいや、大王様お先に」と暗黒騎士が断る。
「いやいやいや」
「いやいやいやいや」
二人の攻防が続く、
そんなやりとりが少し続いた後、やがて妖魔大王が諦めたように提案する。
「仕方ない、じゃ一緒に行こう」
「賛成ッス」
暗黒騎士が深く頷く。
辺りを舞っている埃はだいぶ落ち着いてきている。
これなら上を向くことも出来るだろう。
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