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うん?
妖魔大王は暗黒騎士が指差す方向に目を凝らしてみる。
闇夜に隠れて良く見えないが、何かあるな。
四角い?
上に看板?
何か書いてあるな……。
中……華……?
「げっ!! 味一じゃん! あれ」
驚愕の表情で叫ぶ妖魔大王。
「やっぱ、そうッスよねー。地上のあの辺一帯の建物も転移して来てるッスね」
味一以外にその周りの見知った建物が、地上にあったそのままにいくつも建ち並んでいる。
「建物だけならいいんだがなあ」
人間を巻き添えにする魔法少女など妖魔大王は認めない。
妖魔大王の心には静かな怒りの炎が宿っていた。
その時背後で悲鳴が聞こえてきた。
「きゃーーーーっ!!」
女の悲鳴である。
その跡には何かが崩れる音。
馬のいななきも聞こえる。
「味一の確認と悲鳴どっちッスか」
「もちろんこっちだ!」
妖魔大王は悲鳴のした方へ走り出していた。
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