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「いたっ」
「ぷっ。当たってやんの」
お返しとばかりに笑う妖魔大王。
「てめえら、ふざけやがって!!」
馬鹿にされていると思ったのか、怒りを含んだ声でがなりたてる盗賊達。
「ん? すまんすまん。しかしなぜ人が人を襲っている。その者達は何か罪を犯したのか?」
人間達が決めたルールには、自国に被害が及ばない限り干渉をしないのが、妖魔帝国の暗黙の了解だ。
「ああ? てめえにゃ関係ねぇだろ!」
「そんなに剣を刺すことも無いッしょ。もしかしてあんた達、剣の扱いが下手なんスか?」
暗黒騎士が尋ねる。
女性の背中には四本もの剣が刺さっている。
「ああ? この女が何本目で死ぬか賭けをしてたんだよ」
一際、身体の大きな盗賊が剣を持ちながら答える。
「あと一本で俺の勝ちだったのによっ!」
忌々しそうにそう言うと、もう動かない女性に再度剣を突き刺した。
そして剣を抜いては、また突き刺す。
何度も、
何度も。
それを見た周りの盗賊達も面白がって剣を突き刺し始める。
目の見えない少女は髪の毛を捕まれ、無理やり母親から引き離されている。
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