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「この腐れド外道がっ……!! 何が違うのよ!! ご両親に許可を得たのっ!!」
両親という単語を聞いて、それまで大人しかった少女がぶるぶると震えだす。
「あー! ばかっ!」
「えっ! あらあら、どーしたのかなー?」
デスクイーンが、目じりを下げて慌てて少女に話しかける。
が、時既に遅し。
「マァ~~マァ~~」
火が点いた様に大声で泣き叫ぶ少女。
「はいはいはいっ! アメちゃん食べるかな~」
必死に火を消そうとするデスクイーン。
手に持っているのはコーヒーアメである。
「渋いチョイスだなー。もっと他には無いのか」
「えー。美味しいのよー。ほら」
デスクイーンはアメの包みをはがし少女の鼻の前までもっていく。
と、少女はくんくんと匂いを嗅ぐと、デスクイーンの手からアメをぱくりと食べた。
少女は初めて食べる味に戸惑っているのか、泣くのを止めた。
「ほらほらー。泣き止んだ。いい子ねー」
「マニアックだなー」
イチゴミルク味がお気に入りの大王は驚いている。
「で、この子は一体?」
「ここじゃ詳しい説明は出来ないから、とりあえず医務室へ行くぞ。案内してくれ」
「はいっ。わかりました。では私に着いてきてください」
そういうとデスクイーンが通路をふらふらと飛び始めた。
少女がアメを飲み込まない様に、なるべく衝撃を押さえながらその後を追う妖魔大王であった。
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