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「あ! こんなとこにあったッス」
暗黒騎士が座っている、すぐそばに折れた魔剣の刀身が落ちていた。
「探してたんスよ」
暗黒騎士は折れた魔剣の切断面を合わせている。
「どうだ? いけそうか」
「多分接着剤でいけるッス」
「無理じゃね?」
二人が会話をしていると、赤い物体がゴロゴロと転がって来た。
「奴ら、魔法少女を名乗っておる癖に、物理攻撃ばっかりだったぞい」
三大幹部の一人「だるま男爵」だ。
名前の通り手足が無く、だるまそのものである。
両目とも目が入っていないはずなのだが、ちょうど目に当たる部分が陥没していて、目が入っている様に見える。
黄の魔法少女「戌山崎 しずか」にロッドで殴られた跡である。
「もっと伝統工芸を大事にせんといかんぞい……」
だるま男爵は右に左にゴロゴロと転がっている。
「あちゃー。男爵もなかなかのやられっぷりッスね」
「いきなり目を狙ってくるとは思わなかったぞい」
「正義って一体何なんだろうな」
遠い目をする妖魔大王であった。
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