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第2話 カウントダウン
――カウント3
「しかし……まさか乗り込んで来るとは思わなかったな」
「やはり例の作戦がまずかったのだと思いますわ」
そう言いながら、ふらふらと空中を飛んできたのは、三大幹部の紅一点【デスクイーン】だ。
上半身は妖艶な美女であり、背中には蝶の羽根を持つ。
しかし下半身は巨大な蜂の腹部となっており、そこから人型の脚が二本生えている。
妖魔帝国でもトップクラスの戦闘能力を兼ね備えた彼女は、正に蝶の様に舞い蜂の様に刺す、妖魔帝国のアイドル的戦士だ。
だが今では、針は無残に『く』の字に折れ曲がり、羽根には大小いくつもの穴が開き、髪の毛は何があったのかと驚くほど乱れている。
これは青の魔法少女【封申印 れおな】と戦った結果である。
「例の作戦って……あれか?」
例の作戦といえば、「栗ようかん買占め作戦(都内)」である。
都内の栗ようかんを買占め、大好きな栗ようかんを食べる事が出来なくなった都民たちのフラストレーションを高める。
やがて必然的に起こる暴動によって、東京の中枢機能をマヒさせた後に、楽々と東京を制圧するという作戦であった。
「まだ作戦開始三日目ッスよ。早く無いッスか」
「あの眼鏡のいつもおとなしい娘。【戌山崎 しずか】だっけ? 眼がヤバかったわね」
「ぞいぞい」
赤いだるま男爵の色が青くなっている。
ロッドで殴られた時の恐怖を思い出したのだろう。
「しかしあの強さじゃ、今まで送り込んできた部下の妖魔達が次々と病院送りになる訳だな。はぁ」
妖魔大王は、これまでの魔法少女との戦闘報告を思い出しながら、深く納得する。
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