第2話 カウントダウン

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――カウント0  ぐにゃり。  突如、歪み始める時空。  空間の歪みは振動となり、大王の間を激しく揺れ動かす。  無事だった数本の柱が倒れ、天井からいくつもの小さな破片が落ちて来る。   「わわっ! な、なんッスか!」 「地震ぞいー! 早く机の下に……」  ダルマ男爵が凄まじい速度でゴロゴロしている。 「これは……」    妖魔大王は虚空を見上げ、一帯の魔力が増大していくのを感じ取っていた。  それは魔法少女が去り際に残していった最終奥義「時空転移」。  どこに転移するのかは術者でさえわからない、禁断の術である。  自らを巻き込まぬ為に、時限式で発動させたのだ。    数秒後、目の眩むほどの強烈な光が妖魔帝国一帯を包みこんだ。  そして妖魔帝国は地球上から跡形も無く消え去った。
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