陰間茶屋へ

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それから陰間茶屋の主人は私を建物の最奥にある風呂場に連れて行った。その短い間にいつの間にかいた私より少し年上の少年二人が風呂場に来ていた。風呂場に着くなり私は丸裸に剥かれた。いきなりの事に私は困惑し股間を隠した。 「全く、ガキはすぐに垢まみれになるねぇ。ちからたろうでも出来るんじゃあないかねえ。あんたら体洗ってやんなぁ」 「はい」 私は全身くまなく体を洗われた。全身が泡まみれとなり綺麗になっていく事を感じる事が出来た。 「舶来品の石鹸(しゃぼん)を使ってやるんだからね、感謝するんだよ」 この当時、石鹸はポルトガルからの輸入品のみで超高級品であった。その高級品があるところ陰間茶屋は相当に儲けている事が予想出来た。 体を洗い終わり、体を拭かれるとこれまで身に纏っていたぼろ布同然の服と違って綺麗な服が置かれていた。それを着せてくれるのか陰間茶屋の主人が私の目の前に白い腰布を持って立っていた。彼女はスルスルと慣れた手付きで腰布を巻いた、巻き終わった際に彼女は私の股間を布の上からきつく握りしめた。これまで味わった事の無い感覚に気持ちよさを感じると同時に激しい拒否感を覚えた私は彼女の手を振り払った。 「これから嫌と言う程触られたり握られたりするんだからね」 陰間茶屋の主人からの残酷な通告であった。その通告に私は心から震えるのだった。それから広い部屋に連れて行かれ、私はそこに座らされた。 「あんた、どうしてあの人買いに捕まったんだい? 教えておくれ」 私はあの人買いとの出会いを話し始めた。
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