1人が本棚に入れています
本棚に追加
朝が来たからといって、憂鬱は消えない。
ふと目が覚めたのは午前十時。
いつから寝ていたのか全く覚えがないが、顔と下敷きになっていた腕が痛む。
本当は、伏せて寝るのは少し息が苦しくて嫌いなんだけど。
コーラのボトルがレポートの上に倒れていて、一瞬肝が冷えた。
しかし、昨日、というか今日早朝の寝惚けた自分も、流石にキャップだけはきちんと閉めていたようで、レポート用紙は九死に一生を得た。
欠伸をして部屋を見渡すと、いつそこに置いたのかわからないスマホが机上に伏せられていた。
結局、どうだったんだろうか。
どうして彼女は昨日中に電話をかけてこなかったのか。そして、どうして連絡の一つも寄越さなかったのか。それとも自分が寝落ちた後に、連絡が来ていたのか。
もう、別れたことにでもなってんのかもな。
なんて、冗談を一人で言ってみた。
自分の、人より少し高い声が、酷く現実味を帯びて響いた。
笑えねぇ。
恐る恐る、スマホに手を伸ばす。
『不在着信 1件』
せめてもの救いに、そう通知が来ていることを祈った。
最初のコメントを投稿しよう!