朝が来たからといって、憂鬱は消えない。

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朝が来たからといって、憂鬱は消えない。

ふと目が覚めたのは午前十時。 いつから寝ていたのか全く覚えがないが、顔と下敷きになっていた腕が痛む。 本当は、伏せて寝るのは少し息が苦しくて嫌いなんだけど。 コーラのボトルがレポートの上に倒れていて、一瞬肝が冷えた。 しかし、昨日、というか今日早朝の寝惚けた自分も、流石にキャップだけはきちんと閉めていたようで、レポート用紙は九死に一生を得た。 欠伸をして部屋を見渡すと、いつそこに置いたのかわからないスマホが机上に伏せられていた。 結局、どうだったんだろうか。 どうして彼女は昨日中に電話をかけてこなかったのか。そして、どうして連絡の一つも寄越さなかったのか。それとも自分が寝落ちた後に、連絡が来ていたのか。 もう、別れたことにでもなってんのかもな。 なんて、冗談を一人で言ってみた。 自分の、人より少し高い声が、酷く現実味を帯びて響いた。 笑えねぇ。 恐る恐る、スマホに手を伸ばす。 『不在着信 1件』 せめてもの救いに、そう通知が来ていることを祈った。
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