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トイレットペーパーを片手で器用に巻き、お尻を拭く。
余談だが俺はウォシュレット派ではない。
なぜなら初めて使った時のトラウマが蘇ってしまうからだ。
水圧の強さを最大にされており、そうとも知らずに俺の穴はえぐられるかと思った。
今はこの自然に囲まれたトイレでようやく成すべき事を果たせたという余韻に浸ろう。
「出たー」
立ち上がり、ズボンとベルトを整えながら感想を口にした。はしたないと言う奴がいるかもしれないが誰だってやっていることだ。
男女問わず、だ。
しかし流せないし、コレどうしようかな。
ガサッガサッ
そんな事を考えていると右側から草の騒つく音がした。
服装を整え、トコトコと歩きながら顔をそちらに向けるとそこには。
熊のような見たこともない生物が口からよだれを垂らしたままこちらを凝視していた。
もう叫ぶしかない。
「出たあああああーー!!」
便の話ではない。
本当に見たこともない大きな生物がそこにはいた。
明らかに捕食対戦に入っている。
なぜトイレにこんなやつがいるんだ。というかよく考えたらここはどこだ。入るべきではなかったのかもしれない。しかしそれでは俺は…
考えている場合ではなかった。
逃げるか、戦うか?無理だ。この距離ではどうしようもない。
この状況がわかるやつがいるなら説明して欲しいくらいだ。
『説明しよう』
声がした。男の声だった。
さっき俺がいた草むらが唐突に光り出した。
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