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突然光り出す草むらに視線を奪われたがすぐに化け物に視線を戻す。
どうやら化け物も光る方が気になるようでそちらを睨んでいた。
一体なんだ、そして誰なんだ。
その疑問に、答えはすぐに投げられた。
『我は神だ』
そう言葉を発した。
その神と名乗る人は全身に金色の鎧のようなものを纏った男だった。神々しい。
初対面なのにも関わらず本当に神かもしれないと思うほどだった。
どこかのアニメに出てきそうな格好に2人ほどキャラが脳裏を駆け巡ったがその思考はすぐに終わらせる。
それよりも気になるのは神の足元にある俺の排泄物だ。
ガルルルル
そんなことはお構い無しに化け物が神に唸りを上げた。それもそのはずだ。化け物には言葉が通じないのだから。
いや、神だから言葉を理解させる事も可能なのかもしれない。
そんな思考を化け物がするはずもなく、神に向けて駆け出して行く。
『愚か者めが。』
そう吐き捨てると、なんの音も無く姿を消した。そう、消えたのでは無く、消したのだ。
絶対ということはこの世にはないという言葉をあしらう様に、目の前にいるこの神が消したのだ。
『お主よ。よくぞここに来た』
神の足元には…いや、やめておこう。
「えっと…質問してもよろしいですか…?」
先ほどの危機から冷静になる為にも俺の疑問を解決して貰いたい。
『聞かずともわかる。ここはどこだと聞きたいのであろう?』
「は、はい」
思考を読めのか。それとも顔に出ていたのか、内容が述べられて行く。
『お主にとって、ここはーー異世界だ』
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