トイレ

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おさらいしよう。 俺は今、異世界にいる。 そしてコピー能力を得た。 お腹が治った。 トイレットペーパーを持っている。 現状はこんなもんだ。 とりあえず森の中を進んでみよう。 本来であれば方向も決めずに歩き出すのは愚の骨頂ではあるが方向はもう決めてあるんだ。 簡単に言えば森が切れているところを見つけたという事。 そして、その先は広大な高原と、城壁に囲われた街のようなところだった。 心地いい風が俺の頬を撫でている。 「とりあえずあの街に行くとしよう。ここの事なんもわかんないし」 独り言を言って気付いた。 俺は今、結構な博打を打っている。 と、その時だった。 遠くの方に人影が見えた。 叫んでいるのはすぐわかったが何を言っているのかは全く聞き取れない。 人数は5人。 そのさらに奥に見覚えがある大きな図体をした熊がいた。 騎士が4人と女性が1人がいる。 女性は綺麗な服装をしており、見た目からもどこかが違う気がした。財産的に。 騎士はというと剣を構え、鎧を纏わせている。 熊の前に立ちはだかるように騎士が剣を構えていた。 やはり現代の人間ではなかった。 冗談抜きでここは異世界なんだな。 「近づこうか…」 身を低くし、ゆっくり近づいて行く。 そしてようやく声が聞こえて来た。 「ーーーー!ーー!!」 何を話しているか全然分からなかった。 というか日本語じゃない。
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