トイレ

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日本語以外俺はできない。 中学のテストで平均39点という逸材だぞ。 そして俺はふと思い立つ。 「あの騎士の言語知識をコピーできないかな?」 心の中でコピーと唱えてみた。 「ーー!ーーーー!」 「あれ?」 わからないままだった。 まさか能力なんてなかったのかもしれないと思っていた最中。 「ーーてーさい!ひーーま!」 途切れ途切れではあるが、少しずつ日本語が聞こえて来た。 というよりも段々と言葉が日本語に切り替わって来たようだ。 「姫様!お逃げください!ここは我らが食い止めますので!」 女性はどこかのお姫様なようでそれを騎士が必死に守ろうとしている。どうりで身なりが豪華そうなわけだ。 あっ、バッタみたいのがいる。 「あなた達を置いて行けるわけがないでしょう!?」 「し、しかし!!」 俺はその時、少しイラッとしてた。 それと同時に立ち上がっていた。 騎士の1人がこちらに気付き、剣を向ける。 「な、何者だ!?」 それを、見逃さなかった熊は一瞬にして騎士を仕留めるべく、攻撃範囲に捉える。 鉤爪が凄まじい右腕を天高く掲げた。 「しまっー」 騎士の後悔が漏れた直後、俺は背中から熊のこめかみに激突していた。 「ゴァァッ!!」 「どはぁっ!?」 熊の苦痛の声と、俺の口から何かしら吹き出した声と共に激痛が腰を駆けずり回る。 「いだいぃぃぃ…」 悶絶していた。 熊ってこんなに硬いのかよ… 俺が熊に激突した理由、それは バッタをコピーしたからだ。
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