闇鍋

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次に、ほうれん草、トマト、誰かの指と具材は続いていった。 トマトを皆でつつく。 「うーん…。これは妙な味だ」と田中さん。 「初めて食べる味ですよ」と同僚の一人。 不評。残念。トマトを入れたのは私です。 最後の方になって、箸がつるりとしたものに触れた。 蛇の卵だろうか。なんだか白い。闇にその白さが浮かび上がる。少しだけ光が瞬いてすっと消えていった。 口に入れると、ぶよぶよとした。思い切って、噛むと炎のような熱さが口に広がった。熱い…。
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