第6話:茜刺日の読み方

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第6話:茜刺日の読み方

歌番号169を例にとって、『茜刺日』の読み方について考えてみます. ただし上代特殊仮名遣は間違いであると仮定しています. 引用しますと、 169 茜刺日 者雖照有 烏玉之 夜渡月之隠良久 惜毛 引用を終わります. 『茜』の『あ』、『刺す』の『さ』、『日』の『ひ』で、『茜刺日』は『あさひ』と読むのだと思います. 私訳ですが、現代語で示せば、 169 朝日は 照るといえども、新月では 夜渡る月は隠れている 残念だなぁ のようになると思います. 『あさひ』の漢字表記として、朝日と旭は現代まで生き残ったけれども、茜刺日は平安時代までに消えてしまったと云う事だと思います. また、『烏玉之』を新月と訳すことに就いては、パブーで公開しました電子書籍『リトルプレス小豆A6、茜町春彦著』で考察していますので、興味のある方は参考にして下さい. (了)
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