8別の場所へ

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坂元さんが連れて行ったのは少し高級なホテルだった。 それもスイートルームへ。 「わ、素敵です。でもなんで私を?」 「佐々木さん、それ冗談?それとも本当に聞いてる?」 「本当に聞いてます」 「ああ。佐々木さんって本当に馬鹿ですね」 「え?」 坂元さんが鞄から眼鏡を取り出した。 眼鏡をかけたのを見て分かった。 「あ、え?部長ですか?すみません!」 「本当にここまでしないと気づかないなんて 鈍感過ぎる。ま、さっきはそれで助かった」 「え、あの状況がよく分からないのですがどうしてですか?」 「俺も数合わせで来たんだ。なんかどうしても 断れなくて」 「じゃ同じですね。私もです。ちょうど夕飯作ろうとしていて少し淋しくなったから」 「そうか。では少しいいことをしようか」
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