私たちはそれを知らずに恋をした。

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私の名前はごく平凡な名前だ。 「おーい、木村(きむら)ー」 「「はい」」 「!」 「!」 ふたり同時に返事してしまった。 「あぁ、悪い悪い。このクラスには木村がふたりいたか。えーっと『木村なお』」 「「はい」」 「!!」 「!!」 またふたり同時に返事してしまった。 「あぁ~そっか、おまえら同姓同名だったか──えっと、女子の方の『木村菜緒(きむらなお)』」 「あ、はい」 「──ったく…紛らわしいなぁ」 廊下にいる先生の元に行く時に聞えた『木村尚(きむらなお)』の呟きがやけに心に刺さった。 私だって好きでこの名前になったんじゃない。 ──しかも… (初めて好きになった人と同姓同名ってどういう偶然よっ!)
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