彼女が“戦死”を連れてくる

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「やっぱりあの話は本当だった…」 もう、何か“凄く絶望です”って感じの、正にJAPANの漫画ばりの戦慄顔ですね。 そんな顔で、私の同僚“桃子さん(とうこさん)”が呟きます。 おっと、紹介遅れました。私の名前は“ペイチェック”勿論、偽名。自身の“傭兵稼業” での通称です。出身国くらいは言っても構わないでしょう。 スイス生まれです。第2次大戦の時から中立で有名な我が国ですが、 傭兵稼業をやってる人は意外と多いです。まぁ、中立という立場柄、緊急時は国民総動員で戦う訳ですから、マイホームには自動小銃やら、無反動砲が常駐してます。 ですから(?)私がこの稼業を選んだおおよその理由も察してくれると幸いです。 と言っても、これを読む皆さんが想像してる、アニメやゲームに出てくる、酒場で葉巻を吹かし、ナイフを弄っているような傭兵像と、私達は全く違います。 (余談ですが、私が日本のゲーム、漫画が大好きですので、たびたびこう言った表現を用いる事をご容赦です) 私達は“PMC(民間軍事会社)”に所属しています。これは過去の薄汚れた酒場で、 手配師達が前金と、死んでも一切の責任を雇い主が負わない紙きれ1枚で、 即戦線投入のような“エクスペンダブルズ(使い捨て)”のようなモノではなく、 きちんと雇用契約を結び、ボーナスや労災などを完備された。会社組織の傭兵部隊です。 近年の中東戦争などで、目立つようになったPMCですが、同業者が起こした 犯罪行為が多発し、オマケに軍法で裁けない事などが大きく報道された事もありました。 例え、会社管理されたとしても、所詮は傭兵。死亡率を少しでも軽減したい正規軍の弾避けポジは相変わらず変わりませんし、その大半が食い詰めモンの集まり。この辺りは昔から 同じです。 とは言え、正規軍が撤退しても、テロや戦闘行為が継続する地域においては、私達が必要であり、職に困る事はありません。これは混乱続く中東での仕事中に起きた出来事です…
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