先輩と私

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先輩と私

はじめて来る先輩の家。 期待や不安が私の胸を締め付ける。 先輩との距離は近い。 私の鼓動が聞こえてしまっているのではないかと思う。 こっちを向いてほしいと思うけど、向いてほしくない。 この、真っ赤な顔を見られると思うと恥ずかしい。 「ふふ…顔真っ赤だね」 あぁ、先輩はこっちを向いてしまった。 なんて返せばいいのだろう。 恥ずかしく、うつむいてしまう。 耳に息を吹きかけてきた。 「ひゃぇ」 変な声が出てしまう。恥ずかしい。 あぁ、耳まで赤くなっていくのがわかる。 「ねぇ、いいでしょ?」 私の鼓動は一層、大きくなった。 おそるおそる、顔をあげれば眉毛を下げ自信をなさそうな先輩の顔。 いつもの自信に満ちている、先輩とはまた違う。 私は、コクリと頷く。 先輩は、不敵にほほ笑んだ。 小さな甘い声が漏れた。 「ほら…もっと頑張って?」 腰が抜けそうな、ささやき声だった。 卑猥な音が頭に響いてくらくらする 可笑しくなりそう 先輩はふわりと笑みを浮かべ 「ふふ…まだこれからだよ?」 そうして、耳朶を甘噛みする。 存外、熱い息が興奮をあおる。
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