出会い

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出会い

友人から入っていたラインのメッセージに返信すると、望月美香は体をベッドに投げ出した。ピンクの水玉模様をあしらったシーツにはらりと広がる黒髪。彼女が細い足を折り曲げるとエアコンの稼働音に混じって衣擦れの音がわずかに残される。 今日はここ数日居座っていた雨雲が退き、鳴りを潜めていた夏らしさが戻っていた。真夜中になった今もその暑さは緩む気配がない。予定の時刻まではまだ十分ほどある。美香は寝転がったまま首を動かし明りの消えた部屋を見渡した。 窓際に置かれたベッドの左側には大きな机。その上には可愛らしい小物、流行のぬいぐるみが見栄えよく並んでいる。隅に押し込められた勉強道具は購入時からその姿をほとんど変えていなかった。 机の脇にある姿見の横には自身の背丈と変わらない箪笥が鎮座している。一番上には次の休みに着る予定のブラウス――お気に入りの雑誌でも紹介されていた――が畳まれていた。 上体を起こすと鏡が見えるところまで移動する。青白い月光がカーテンの開いた窓から差し込み彼女の姿が照らし出された。     
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