提案

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二週間がたった後も少女と死神の奇妙な関係は続いていた。少女が学校の話をして死神がそれを聞く。ただそれだけの関係。彼女はほのかに照らされたこの小部屋で、自分がその一部になったかのような感覚を得ていた。 「……ってことがあってさーマジひどくない?皆の前でだよ!ほんっとありえない!私の事嫌いなんだよあれ」 「君は彼女にずいぶんと不満があるようだね」 最近の話題は小言の多い教師の話。校則にも厳しいおかげでやりたいオシャレが出来ていなかった。特に今日は朝の身だしなみ検査でやり玉に挙げられたばかり。両親は教師の味方。愚痴に対し否定を入れずに聞いてくれる存在は、友人を除くとでは目の前の金髪だけだ。 「あーあ、どっか違う学校行ってくれればいいのにな~」 「できるよ」 「へ?」 間の抜けた声が口から漏れ出てくる。美香は顎を乗せていた手をどかすと蒼い宝石に目を合わせた。鈍く光るそれからは感情を読み取れない。 「できるって……死神なのに?」 「少し先の未来をいじることくらい造作もないさ」 部屋にかかる明かりがちらつく。美香の方からギシギシと椅子を揺らす音が聞こえ始めた。 「でも、そんな…………」     
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