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気づき
それから校内でその後輩を見つけると目で追ってしまったり。話をするとドキドキしたり。こんなのは初めてで戸惑っていた。私がこれは恋だと気がつくのに1ヶ月。その気持ちを認めるのにもさらに1ヶ月。のろのろしているうちにとうとう引退公演の準備が始まってしまった。
「私達3年生にとって最後の公演です。頑張りましょう!」
最後なのだから軽くイジメのようなものをしていた子にビシッと言おう!そう心に決めていた。
「あのさ。後輩に少し厳し過ぎない?私から見たらイジメのように感じたよ?」
「違うよ。指導だよ。そんなこと言わないでくれる?私たちが悪者みたいじゃん」
「そうだよ。だいたいあんたがいけないんじゃん。部長なのに全然頼りないし。だから代わりに言ってあげてるんでしょ。」
確かにその通りだ。頼りないのは確かだ。
「だからってあれはやりすぎ、、、」
「そんなこと言うなら自分でやってよね。私小道具降りるわ。役者に専念する。最後なんだし自分の技術全て後輩に伝達しようと思ったけど、あんたに全部任せるね。」
「私もー。衣装降りるわ。よろしく。」
「俺もー。」
「え、任せていいの?やった!じゃー、私も!」
「え、ちょっとみんな、、、」
こうして私と後輩だけで裏方全てをすることになった。
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