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「あーそう言えば何度か話があるとか言っていたような・・・でも、僕もセールの用意で忙しくて・・・後でねって言ったきり、時間作ってあげられなかったんだ・・・・悪いことしたなー。何か悩んでたんだよキット。
あーーーー胃が痛いーーーー。」
「社長・・・・ちょっと休憩されたらどうですか・・・」
「ねえ・・・明知君・・・本当に何か聞いてない?」
「は・・・・はい・・・・あ、あの・・・」
「あーそうだ!明知君。青の衣裳、もう一枚ある??」
「ありますが・・・代役ですか?鮮魚売り場の誰にします?」
「いや、もう鮮魚売り場からは出せない。人員がギリギリだからね。僕が出るよ。野菜売り場は朝陳列してしまえば、追加はパートさんでも十分賄えるでしょ。」
「ですが、社長!サイズが・・・・青は溝口君のサイズで作ってしまったので、Lサイズなのです。しかも彼は社長より10センチほど背も高いし・・・」
岡は自分のお腹をさすった・・・どう考えてもXL・・・いやそれ以上・・・Lサイズのぴちぴちスーツはさすがに無理か・・・
「じゃあ何でもいいや、青いもの。あ、青いジャージがあったよね。こないだ草むしりに着たやつ。とにかくアレに着替えるよ。明知君は雑貨売り場に行って、青色の軍手探してきて。」
「わかりました。」
岡は痛む胃を抑えながら社長室へと急いだ。踊りも歌もMCも、練習は見てはいたが自分では一度もやったことはない。けど、何とかなる、なさねばならぬのだ!!
(立ち位置は端っこにしてもらって、なるべく目立たないように頑張ろう・・・
あとはカンペを見ながらでも・・・何とかなるよね。)
不安を必死でかき消しながら、先日の草むしりで少し汚れてしまったブルーのジャージに着替えるのであった。
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