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アオイヒカリ
久しぶりの帰省。
緑なんてちっともなくて
空を見上げても電線が
まるでアミダくじのように
交差している。
それでも相変わらず
ごちゃごちゃとしたこの町並みに
どこかホッとしている自分が
好きだったりする。
今日は古くからの友人たちと
食事をする約束をしていた。
何年ぶりだろうか。
少し無理をしてこの日の為に買った
新しいワンピースを身に纏い
駅へと向かう。
つい、気合いが入るのも仕方がない。
女子にとって友人との久しぶりの再会は
結構、重要なミッションなのだから。
せっかくだからと
少し遠回りになるけれど
昔からある商店街を抜けて
駅まで行くことにした。
商店街のアーケードは
随分と古びたものの
その面影は変わらない。
一瞬であの頃の事を思い出す。
けれどよく見ると
数年前に近くに出来た
大型スーパーに客足を取られて
シャッターが降りたままのお店がチラホラ。
何も変わってないように見えても
時は確実に流れているようだ。
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